2011-08-11 [詩]

裏木戸を出てゆく棺に月が降り

2010-10-10 [詩]

僕の背に

翼が生えてきて

僕は翼をそぎ落とす

この地上も嫌いだけど

空なんかもっと嫌いだ

でも

その傷跡に

また翼が生えてくる


2010-10-09 [詩]

空に穴

無数の穴

神ののぞき穴

涙が雨になって落ちて来る


2010-01-10 [詩]

どこかでオーケストラの音がしていて

誰かがハミングしていて

そんな中で 死ぬのもいい


2010-01-10 [詩]

海を泳いでいる

なぜだか分からないが

とにかく行けるところまで行こうと思う


2010-01-09 [詩]

悲しさを書こうとして

絵の具を足していったら

キャンバスが真っ黒になった


2009-11-14 [詩]

純正の町に 異端の種子を蒔く

町は今 清潔なままに 爛れている

人が皆 同じ方向に 歩いている パジャマのまま 眠ったまま

操りの糸を切っても 人形が動く夜

上がっていく 朝日が夜に 囲まれている

銃撃が ゲーム音に 紛れている

赤ん坊の 開いた眼は 青色ダイオード

 


2009-11-09 [詩]

言葉って

いわば

 言の葉

 言の歯

 言の波

 言の派

 言の刃

 言の端

 言の破

 言の跛

 言の羽

そんなものです

 


2009-11-07 [詩]

咳をしたら 風が止んだ

もう一度 咳をしたら 人が死んだ

それが物語のすべて


2009-11-07 [詩]

せめて

日当たりの中で死にたい

路上でも

雪の上でも いいから

生まれてしまったご褒美に