2023-08-24

折鶴を

飛行機

の

ごとく

並べたり

果たして

空で

君は待つか

2023-08-24

おのれに

面と向かう

強さ欲し

鏡の前で

立ち止まりつ

2023-08-24

満員の

人載せ

汽車は

そのままに

墓場へ

迎えば

さくら散り

2023-08-24

蝶々が

どんな顔して

見ようと

殺すべき

時来て

殺しに出る

2023-08-24

渋滞の

トンネルの中

ひたすらに

走り

抜けゆく

雪解川

2023-08-24

いないはずの

二階から

笑う声あり

火葬場から

骨と戻りしに

2023-08-24

死のう

とすれば

必ず

蛍

やって来て

2023-08-24

なんだか

空にひとり

残されて

蟻潰すよう

指で

人潰し

2023-08-24

金魚鉢

まん中

置いて

端で

寝る

2023-08-24

生きてる

と

なんだか

金魚

に

言い訳し

2023-08-24

言葉尻

捕らえて

そんなに

楽しいか

空には蝶も

とんぼもいて

2023-08-24

初夢

に

両手

まっ赤な

大火傷

2023-08-24

蝶殺す

夢の中でしか

生きられぬ

と

なんと贅沢な

なんと残酷な

2023-08-24

湯豆腐の

向こうに

亡き友

二三人

言葉もあらず

じっと見ている

2023-08-24

湯豆腐

や

周りから

友

が

欠けて

ゆき

2023-08-24

風ひかる

荒野

に

墓標

立ちならび

2023-08-24

亡者なれど

いまだこの世

諦めきれず

あの人

この人

肩叩き

2023-08-24

まだ

この世

なれば

もう一度

朝寝

かな

2023-08-24

どの花も

見れば

見るほど

曼珠沙華

2023-08-24

白梅

や

足掻いて

足掻いて

夜明け

待つ

2023-08-24

どうやって

死ぬのか

死のうか

朝寝

かな

2023-08-24

小鳥

来て

見えない

目

から

啄めり

2023-08-24

ことのほか

棺

良く

燃ゆ

炎暑

かな

2023-08-24

炎天

を

棺

の

中で

耐えている

2023-08-24

炎天

に

等級

確かむ

棺

かな

2023-08-24

病院

の

ベッド

で

読んでる

残暑見舞い

2023-08-24

どこまでも

虹

を

追いゆく

車椅子

2023-08-24

また

一台

車

消えてく

虹の中

2023-08-24

崩れ

くる

虹

の

欠片

を

手に

入れて

2023-08-24

流れ星

ポケット

の

中で

ひかっている

2023-08-24

ベッド

から

欠席届

残暑

かな

2023-08-24

炎天

や

殺人事件

今日二件

2023-08-24

不二山

の

ごとく

さえぎる

雲の峰

2023-08-24

今朝の秋

鏡の中

に

死者

の

群

2023-08-24

金髪

の

群れ

の

中

なる

夕ざくら

2023-08-24

空っぽの

言葉に

生命

吹き込んで

痩せゆく

われを

人が笑う

2023-08-24

いくつかの

点を線にして

その線を

糸にして

ぼくは

首を括る